2017/07/25 01:19
我が家にちいさな地球が来たので、虫眼鏡で友達を探してみた。地中海の隅っこに、少年がいたので、呼びかけてみた。オーマイフレンド。僕と一緒に遊ぼう。
昨日、実家に帰ったのですが、冷蔵庫に丸ごとのスイカが入っているのです。どうしたん?と聞くと、近所の人に貰ったとのこと・・・・畑をやっていてね、 近所付き合いって大事やろう、こうじは、ちゃんと近所の付き合いってあるんか?(ある訳ない)、来週から、入院せなあかんのや、このスイカどうしようか なぁ?・・・・じゃぁ、切ろうよ、とも思ったのですが、実はその時にはかなり酔っぱらっていたのです。恥ずかしながらかろうじて隅っこの酔っぱらい道を生 きているけれど、酔っぱらってスイカを食べる人を観たことがないね。そう、東大を出ているインテリの友人がいる。素敵な女性だけれど、その人がスイカって 一俵、二俵って数えるんだよって教えてくれた・・・・どうして吉俣は知らないんだ?っていわれたけれどね。知ってた?しかし、スイカは水分が多いよね。水 分が必要な夏に、どうしてスイカはスイカなんだろう?
話しているうちに時間はどんどんと過ぎ、四十年前は僕より百倍くらい健康で大きかった父と母は、すっかり縮んで細くて眠そうだ・・・・分かった。こんなどでかいスイカは老人二人では食べられないだろうから、僕が持って帰るよ。大丈夫、僕の上腕三頭筋はパンパンだ。
持ってみるとね、地球に似ていて重たいの。殆ど、水ですものね。スイカって、青くて、重くて、まるで地球みたい。
「E=」第三夜、「保存」にお越し下さった方、本当にありがとうございました。佐和子さんとやるとなったときに、まず思いついたのが朗読でした。何を朗読 してもらうかとなると、やはりそれは僕の書いたものを読んでもらいたかった・・・・そして、ある文章を書いたのだけれど、僕の文才では、過去と未来の全部 をあらわすことができない、それは箇条書きののようなものだったけれど、でも広がりはなかった・・・・どこかで止まっちゃう。
そして、削いで行く作業が始まった。削いでいくうちに、単語だけになった。うん、いい思いつきだった。
「E=」のイベントを始めたとき?あるいは去年の「夏の花」だったかな、小屋主の二ノ宮修生さんから、それはほんとにいらないの?と聞かれた。つまり、照 明とか、受付とか、セットとか、料金とか、そういうもの。僕はいりません、と答えた。何もないということは、無限にあるということだと思うので・・・・ と、そんな格好をつけた記憶はないですが、そういうことがいいたかった。
「保存」では、そういうことが出来たかも知れません。
我が家の冷蔵庫に地球がある。大げさ、という莫れ、やはりそこに地球がある。常夏の地球、がある。水がいっぱいある、命の重さがある、あなたがいて、君 がいて、ギラギラとしていて、無謬に満ちた地球がある。争い合うことはない。分かち合えばいい。僕は虫眼鏡で友達を探す。オーマイフレンド。僕と一緒に遊 ぼう。
8月5日(土)と6日(日)は、いよいよ「夏の花」。
林京子さんの小説を読みなおしているうちに、ようやく回路が繋がった気がします。僕は僕なりの時間をかけて、ようやく繋がった回路がある、そう、明日からゲーテの「ファウスト」を読みなおします。
ひとつだけ宣伝を。
8月5日(土)と6日(日)は「夏の花」という同じタイトルです。が、お分かりの通り、もちろん、違うライブをします。もちろん、でしょ?そこを理解してくれてこその「E=」。
もう一度、ちゃんと書きます。
ああ、しかし、冷蔵庫の中の、ちいさな地球、食べきれる?